日本語対応版 groff-1.12 (jgroff-0.101) 北川 信亨 (Kitagawa Toshiyuki) tm-kita@kh.rim.or.jp 柳原 良亮 (Yanagihara Yoshiaki) yochi@debian.or.jp GNUのroffフォーマッタgroff(version 1.12)の日本語対応を行ないました。 上位互換となっていますので、日本語を含まないroffデータはオリジナルど おりの動作になります。日本語化に関する修正部分についての著作権はGNU General Public License Version 2 に従います(詳細はCOPYINGを御覧ください)。 日本語groff(jgroff)の現バージョンは0.101(最終β版)です。このバージョン では以下のモジュールが日本語化されています。 groff ... groffドライバ gtroff ... groff本体 grotty ... 端末用ポストプロセッサ grops ... PostScript用ポストプロセッサ grohtml ... HTML用ポストプロセッサ(Thanks HANATAKA Shinya ) grodvi ... DVI用ポストプロセッサ (NTT JTeX or ASCII日本語TeX) gxditview ... Xウィンドウ用ポストプロセッサ gtbl ... tblマクロ用プリプロセッサ gpic ... picマクロ用プリプロセッサ geqn ... eqnマクロ用プリプロセッサ xtotroff ... Xのフォントからgroff用フォントファイルを作成す るツール # lj4ポストプロセッサ、bib関連のコマンドは日本語未対応です。 ◎ インストール 以下の環境でmake出来ることを確認しています。 ☆ FreeBSD 2.1.0-RELEASE XFree86-3.1.2, gcc 2.6.3 ☆ Debian GNU/Linux 2.2 ☆ NEC EWS/4800/310 SVR4.2 Release9.1 Rev.B, X11R5, gcc 2.6.0 (1) オリジナルと同様configureを実行した後、make & installして下さい。 詳しくはINSTALLを参照してください。 *) grodviはNTT JTeX形式またはASCII日本語TeX形式のDVIファイルをサポー トしています。groffが出力するDVIファイルをASCII日本語TeX形式に したい場合はconfigure --JTeX=ASCIIとしてください。 --JTeXオプションを指定しなかった場合はNTT JTeX形式になります。 (2) groffのmakeの後、gxditview(groffのXウィンドウ用ポストプロセッサ) をmakeします。トップディレクトリ直下のxditviewへcdして、 % xmkmf % make depend % make all % make install install.man で、インストール完了です。 ◎ 使い方 groffの-Tオプションに-Tnippon(端末表示)を追加した以外はオリジナルのま まです。 以下は使用例。 (1) groff -Tnippon -man groff.jman 日本語を含むroffファイル(groff.jman)をmanマクロを使ってフォーマットし、 端末に表示します。 (2) groff -Tps -man groff.jman 日本語を含むroffファイルをフォーマットし、PostScriptに変換します。 (3) groff -TX100 -man groff.jman 日本語を含むroffファイルをフォーマットし、Xウィンドウに表示します。 (4) groff -Tdvi -man groff.jman 日本語を含むroffファイルをフォーマットし、DVIファイルを出力します。 ◎ 日本語化について ・ 日本語文字コードは日本語EUC(のコードセット1)のみサポートしています。 ・ 日本語フォントについては、カレントフォントがボールド体の時はゴシッ ク体に、それ以外のフォント(ローマン、イタリック、イタリックボールド 等)がカレントフォントの時は明朝体に、自動的に切り替わります。日本語 フォントを直接指定することは出来ません。 (注) フォントファイル名が'B'で終っているフォント(B、TB、HNBなど)を ボールドフォントとしています。 ・ 行頭、および行末禁則に対応しています。それぞれの禁則文字は、 行頭禁則文字: 、 。,.・:;?!)〕]}」』】 ぁぃぅぇぉっゃゅょァィゥェォッャュョ . ? ! " ' ) ] * , : ; > } 行末禁則文字: ( 〔[{「『【 を定義しています。 ・ -Tpsを指定した場合、EUC文字とASCII文字の間には、幅の狭い空白が自動 的に挿入されます。この空白の幅はdevps/DESCのwcharkernで指定します。 unit単位です。0を指定すると空白は挿入されなくなります。 ・ -Tpsを指定した場合、EUC文字はASCII文字に対して少し下げて出力されま す(そのままだとASCII文字が落ち込んで見えるため)。この下げ幅は devps/DESCのlowerwcharで指定します。unit単位です。0を指定すると字下 げは行なわれません。 ・ オリジナルでは改行コードは無条件にスペース文字に変換されますが、EUC 文字で囲まれた改行コードはスペースに変換せず無視するようにしました。 ・ EUCのスペース文字(0xa1a1)はASCIIのスペース文字として処理されます。 ◎ 謝辞 grodviのASCII日本語TeX対応は、宇都宮大学の横田さんが行なってくださいま した。grohtmlの日本語(EUC)対応は、花嵩信哉さんが行ってくれました。 また、多くの方からバグに関する報告、修正イメージを送って頂きました。 御協力くださった皆様にはとても感謝しております。有難うございました。 ◎ お願い 現バージョンではlj4ポストプロセッサ、bib関連のコマンド群が日本語化され ておりません。これらの日本語化を行ってくださる方を募集致しております。 ぜひ御協力ください。また、日本語対応groffに関して御意見、御希望等を 是非お聞かせください。今後の参考にさせて頂きます(もちろんバグ報告も 歓迎です!)。 以上はE-Mailにて、tm-kita@kh.rim.or.jp宛にお送りください。